nerumae

ほぼねるまえに更新してます 読んだ本/聴いた音楽/マラソンみたいに続けていきたいふつうの日記

「昨日なに食べた?」8巻から とおりすぎる男

きのう何食べた?(8) (モーニング KC)


読了。
自由につかえるお金が少なくなり、漫画や小説で新書を買う場合は、「この人の作家活動を支えたい(お布施)!」「周りにもぜひオススメしたい(布教)!」という人に厳選するようになりました。
つまり私はよしながふみ先生の信者です。

この中の#62 タブチくんの話について。
(ネタバレありなのでまだ読んでない読者の人はそっ閉じ)






タブチくんは主人公の弁護士、史朗(しろう)と同居する美容師ケンジの部下でスタイリスト。
女性と交際するときの決まり文句が「オレ家事とかなーんもしないからな!」。
典型的なだめんずなんですが、かいがいしく世話を焼いていた年上の彼女がある日別れをいいにきます。
「あんたは全然なにもしてくれなかった。二股をかけていたもうひとりの彼氏、オーニシは真剣に相談にのってくれたわ。
だからあたし役に立つオーニシに乗り換えることにしました!」
ときっぱり。

それを受けてのタブチくんのセリフがこれ。

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トラさんみたいなキップのよさだなw
タイプは違うけど川上弘美の小説に出てくる「ヒトカタ」のような男だなーと思った*1
上小説に出てくる「ヒトカタ」は主体性がなく、女性の望むように女性を喜ばせる。
そしていつのまにか通り過ぎる(ニシノユキヒコもそんな感じですね)。


女は地に足つけて生きたいと思ったとき、頼りがいのある(「役に立つ」w)男を選ぶ。
でもこういう「のれんに腕押し男」の、のれんが顔をさらっとなで過ぎる心地良さだけを残して消える良さ、その心地よさを享受していたこと、女は別れるときに気づくんですよね。
(よしなが先生は別にそんな教訓めいたこと描いてないけどね)

*1:正確には「雛形」みたいです。「物語が、始まる」収録かな?

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