061:倉
「赤ちゃんができたみたいなの、そう彼の」小倉パヘ屋でなぜ僕にいう
062:ショー
泣きながら打ちこまれた夜もさようなら いつかの我のすけすけショーツ
063:院
「少年院に二年はいっていたらしい」伝説おどるコウタさんのとんかつ*1
064:妖
065:砲
コカ・コーラ・ゼロをおくちにほおばってぴゅーと水鉄砲とほら、虹
066:浸
足もとを浸した海のつめたさに掴まれどうかゆるして親月*3
067:手帳
手帳には書けない日々がぽつぽつと あなたとのこと不稔ですから
068:沼
沼底で藻草に耳目をふさがれるよるはだまってちからをぬいて
069:排
排水口のぞけば排水口もまたあなたを見ているのだ 真理
070:しっとり
しっとりいみゆきがこっちへやってくる 息を止めるか餅米をもて
ほかのかたの短歌も素敵です
http://blog.goo.ne.jp/daieiblog2014/tb/7e79512fc445269a89686b8e4f61aee8
番外
ここでしか昇華されない業があり テキストのなかの殺意をゆるせ
すこしだけ目線を上げて青蛙 あめがあがったアスファルトの香
*1:大学時代のバイト先の料理長。155cmくらいで基本的に明るくムードメーカーでしたが、たまにぼーっとチャッカマンで掌をあぶっていたのが印象に残っています。実際には2年も入っていないはず。とんかつは美味かった。
*2:乳房を胸でX型にクロスさせて肩にかけた老婆の妖怪が載っていました。ちなみに割とイイ奴らしい。
*3:「旧暦の月名」http://www.ss.iij4u.or.jp/~ana/kyureki.htm参考にさせていただきました。親月<おやづき>は「親の墓参りに行く月」だそうです。