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WXⅢ−機動警察パトレイバー廃棄物13号を観ましてね

前回の映画版「機動警察パトレイバー」観たあと「あなたならこちら好きそう」とおすすめいただきましたので観ました。
「WXⅢ−機動警察パトレイバー」。劇場版パトレイバーの3作品目ですね。

で、感想としては、全然別モノ

そして、お薦めしてくださった方に阿る気持ちはまったくなく素晴らしかったです。
たしかに私はこっちの作品のほうが好きですね。


以下、ざくっと現時点で気づいたマンガ版との相違点と良かったとこ、あえて言うならのとこを自分メモです。ネタバレしてます。



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マンガ版「廃棄物13号」との相違点(15/5/28時点で気づいた範囲)

各観点 マンガ版 映画版
冴子の造形 ファザコン 夫と子を失くし生きる支えを失った女性
廃棄物13号 冴子が亡き父の功績を証明するために造った 亡き娘の替わり
パトレイバーの役割 13号の存在を憐れみつつ退治 完全に刺し身のツマ
冴子のラスト 海に落ち記憶を失う ドームの高所から落下、13号とともに死亡


良かったとこ

・冴子の人物像を大幅に変えたことでストーリーに深みが出た

後半の冴子の台詞(うろ覚え)

「なにか理由があったはずだったけど…忘れちゃった
忘れちゃったわ…」

良かったですねえ…(しみじみ)

パトレイバーと13号の見方が100°くらい変わる

冴子の犯行動機がほぼ私怨、名誉欲(の代理)から、より視聴者の憐憫を誘いやすい「家族の喪失と母性」にすることで後半のパトレイバーVS廃棄物13号戦もまったく違って見えました。完全にレイバーはじめ警察がヒドイ奴に見えます。
マンガでストーリーおっていた人はこの違いも楽しく味わえるのではないかなあ。

180°ではなく100°としたのは、もともと廃棄物13号の話には「人の手で創りだされる生物の存在理由」みたいな、パトレイバー本筋に流れる勧善懲悪ではわりきれない視点と魅力があって、今回の映画版はそこをさらに増幅させたろうとしたんだなと感じたからです。
完全に冴子側視点ではなく、中間よりちょっとそっち側くらいなので100°かなと、

・主役は「パトレイバー」ではなく「警察の中の人と普通の人」

マンガ版でも「パトレイバー」とはうたいつつ、フォーカスされていたのは野明、遊馬はじめ取りまくヒューマンドラマだったしなあ。

後半30分になってやっと野明とイングラムが出てきて「あっそうそうこれ刑事ドラマじゃないや、パトレイバーの話だった」って思いだしたくらいです。それがかえって良かった。

・ラスト秦が禁煙してたタバコを再開する

ここで私は劇場版1では感じることのできなかったカタルシスを感じることができましたねえ。

チェーホフ桜の園」の暗喩

読んだことないんでぐぐった限りなんですけど、「ラネフスカヤ」夫人と冴子の現状をリンクさせているのかな。
ラネフスカヤ夫人はかつて「桜の園」で何不自由なく家族と楽しく暮した過去にしがみつき、現実を見ようとしてないんですね。

・台詞を極力おさえてカットと人物の表情で語る

全体を通して台詞で説明するのでなく映像と久住、秦というメイン刑事2人の表情で描写するという、映画として見応えのあるシブい内容でした。
というかお決まりの長回し押井節がないぞう!?と思ったら今回監督押井守じゃないんだ!!!どおりで鼻につかnry観終わってからクレジットみて気づいた…


あえていうなら

・冴子生きててほしかったな〜

今回悪いとこないんですが強いていうなら冴子のラストはマンガ版の通り生きているかたちにして欲しかったですかねえ。あまりに冴子に救いがない。
けど娘の代わりとして育てていた13号をあんなかたちで焼き殺されてなお生きろ、というのも酷ですよね。

おわりに

Amazonレビューいまさらっと見たら「パトレイバーファンには賛否両論」と書かれてましたが、パトレイバーというくくりを外して映画として観ると良い作品です。
ただ原案原作のパトレイバー「廃棄物13号」編を読まずにこれを観てちゃんと理解できるかどうかは自信ない。だれかトライしてみてください。



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*おまけ
「廃棄物13号」で検索するとサジェストに「乳」が出るのウケた

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