nerumae

ほぼねるまえに更新してます 読んだ本/聴いた音楽/マラソンみたいに続けていきたいふつうの日記

神林長平「ぼくらは都市を愛していた」読んだ


読了。


ざくっとあらすじ

二つの並行世界を舞台に物語は進行する。
 ひとつの世界の主人公は「綾田ミウ」、情報軍として無人、廃墟とした「トウキョウ」を進む。彼女のいる世界は謎の「情報震」に襲われ、デジタル、アナログ、あらゆる情報が瓦解し、人々はつながりを失った。
 もうひとつの世界の主人公は「綾田カイム」。警察庁公安課に属す警官でもあり、「綾田ミウ」の生き別れの双子の弟でもあり、そして学生だった「若き愛人」との思い出にすがって生きている男でもある。
 物語はカイムの腹の中に「体内通信」ができる神経網を仕込まれ、他者の心が読めるようになるところから始まり、ある殺人事件をきっかけに並行であったはずのミウとカイムの世界が交錯する。果たして「情報震」とはなんなのか、「体内通信」の意図とは、人々と「都市」の役割とはー。

ざくっと感想

近未来SFとハードボイルドとミリ要素と少女愛と現象学と今流行りの哲学ゾンビの世界と、ラストは創世記を混ぜたような感じ。初めて読む作家さんだし、あまり自分から手にとるタイプのジャンル(ジャンル分けも難しいけれども)ではないので、すこし難解にに感じたんだけど、「情報震」の謎が気になってなんとか最後までくらいつきました。人々は情報で成り立っている。
物語全般にカイム側のキーである「若き愛人」、女子高生との性的関係が関わってくるので、それに抵抗がある人にはオススメできないかもしれないなーとも思った。
俗っぽい感想ではミウが現実の非情を生きるマッチョ、カイムが美しい物語を別名フォルダで保存するザ・男子、という印象でした。

「やめたらもういけないから」とは

プロロ―グ

やめないでと彼女はいった やめたらもういけないから

は、カイムの「若き愛人」である少女のことば。
最後までこのことばの意味は明らかにされない。単純にことばだけをなぞるとカイムとの関係や性交のシーンを連想する。でもラストに来て物語の全貌が見えると、これって「『語ることを』やめないでね」ということなのかなあと想ったり。
カイムの存在する都市や、彼が復帰した職業の特色を考えると。
語ること、伝えることをやめてしまったら「そっち側の世界」へ行くことができなくなってしまう。

でもざっと一度読んだだけだし全然検討はずれかも。間をあけてまた読みたい気もするけど、今のじぶんには情報量が多すぎてすぐ手をつける気力がございません。


こちらも気になる。

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