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おもしろくなったら数字の奴隷ーー小説「探偵はバーにいる」読みました

探偵はバーにいる :東 直巳 
早川書房

途中何度も断念してやっと読みおわった…
大泉洋の映画版が面白かったので期待して開いたシリーズ第一弾。
感想を先にいえば、ハードボイルド探偵小説としてはイメージ通りだったんだけど、ちょい出の登場人物がやたら多いのと暴力描写への比重が重めなのとで、ストーリー追うのに集中しづらかったかな。
満足度は50点。


ざくっとあらすじ
探偵兼なんでも屋の<俺>にかかってきた電話。それは大学の後輩男性からで、同棲していた恋人が何日も戻らないから探してほしいとの依頼。消えた彼女の行方を追っているうちに、大歓楽街ススキノを構成するデートクラブ、チンピラ、ヤクザの関係が、やがて消えた恋人とひとつの大きな事件の真相へと結びつく。



以下、ベテラン売春婦モンローと<俺>の会話で気になったところを引用。



「1ヶ月で貯金が50万越えたり、体重が5キロ減ったりすると、それでもう夢中になっちゃうのよ。そういうタイプの人間って、いるわ」

「おもしろくなるのよ。お金は、貯めれば増えるし、絶食すれば体重は減るわ。そして、捨てた欲望とキープした時間が、目に見える形になって残るんだわ。そうなれば、あとはお金や体重の奴隷よ。人生にいきがいを持ってなけりゃ、貯金通帳や体重計の数字に、たやすく乗っ取られちゃうわ」




ダイエットも貯金もたしかに面白くなるのわかります。
目にみえない絶対評価の「いきがい」に比べて、数字はわかりやすいもんね。
PV数もね。



ほかの登場人物たちに対して<俺>と<俺>対チンピラの喧嘩描写、痛みの描写、ヤクザの描写がやたらリアルだなーと思ったら、作者の東さんは実際に刑務所に4泊5日刑務所に服役してルポルタージュ書いたりしてるとか。それでか!<俺>がどこか厭世的でアイロニックなのも哲学科で勉強してた東さん自身を投影してるのかなと感じました。




豆知識
小説のタイトル表記は「探偵はバーにいる」で、
映画は「探偵はBARにいる」みたい。
2観てないから現在制作中の3が公開される前に観とこ。


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