伊集院光氏の「ファミ通と僕」を読んでちょっとホっとしたり
週末は盗んだ子犬で走りだす、子犬ヤンキー理論をつらぬき通したい抹茶です。
いつもポケットにモンプチ。
http://www.ikedakana.com/entry/2014/05/29/081933
池田仮名さんのこちらの記事を拝読しました。
わーそのサービスいいな−と思いつつふとよぎったことを書いてみます。
初恋の芸能人は伊集院光とリアルでも何度も言ってるんだけどなかなか信じてもらえない。
ちなみにAMでやってた「伊集院光のOH!デカナイト」ってラジオ番組です。
きょうは天は二物を与えるのか、しゃべりのうまい奴と文章構成のうまいやつは両存するのか、できればしないでほしいなって思うお話。
伊集院氏の「ファミ通と僕」を読む
「ファミ通と僕」はゲーマーの伊集院氏が1998年から週刊ファミ通に書いているコラムを書籍化したもの。
現在シリーズで3冊出ているはずですがそのうちの1冊めを買った。
敬愛する伊集院氏と彼のファンにおケツからストローつっこまれてプーッと吹かれる刑を承知で書くと、読み物としてはなんともすんともコメントしがたいクオリテイ。
随所に彼の番組「深夜の馬鹿力」で話題にあげられた内容がちりばめられているので、リスナーファンの私としてはリンクしていて楽しいんだけど、夢中で読んじゃうかといえばそうではないし。
「伊集院氏のことが大好きだから本だって楽しめるはずだ!」と自己暗示をかけてやっと楽しめる、という感じが非常に辛いし、氏にも申し訳ない。
「うっせー文才ないのなんか自分がいちばんよくわかってるんだよ」
これは実は「ファミ通と僕」を買う前から「もしかして…」と少なからず感じていた不安だった。
というのは氏がその前に出している「のはなし」シリーズも、私は途中で断念してしまっている経験があるのだ。
「深夜の馬鹿力」で、伊集院氏が「うっせー文才がないのなんか自分がいちばんよくわかってるんだよ」と仰ってて、あ、やっぱりそこは自分で感じてるんだ、さすがだな、と、これまた失礼ながら思った。
芸人にしろ映画にしろ事件にしろ自分の感情にしろ、それが「なぜ面白いのか」「人がどう感じているのか」というのを客観的に言語化するのがとても上手い人なのだ。
私は彼の信者なので「伊集院光はしゃべりがあんなに奇跡的に面白いんだから文章だっておもしろいはずだ」と盲目的に期待してしまう。
だけどよくよく考えたらそれは間違いで、きっと話を即興で組み立てておもしろおかしくしゃべる・情景描写する能力とじっくり文章構成して上手い文章を書く能力というのは本来別の回路を使ってるんだと思う。
よくTwitterで凄くセンスあるものの言い回しをしている人と実際会ったら「あっ、なんかリアルは普通なんですね…」って思うとかそんな感じ。
さらに言うと伊集院光氏のしゃべりの面白さは「しゃべりについてメタ認知してきた下積み」があって、「話したことがフローしていくメディア」というステージで、「放送コードギリギリの峠を攻める中2ドライブ感」がウリになって成り立つものなので、それと真逆の位置にある、情報がストックされる書籍媒体は彼の能力と相性が悪いのかもしれない。
自分でも「何を言ったら何を書いたら怒られるのか散々怒られて把握してる」とおっしゃってたし。
ここまで書いて「伊集院光の文章めちゃくちゃおもしれーじゃねーかよ適当なこと言ってんじゃねえよ!」という人はすみませんねー私の文章のストライクゾーンが狭いのもある(森見登美彦とか夢野久作とかダメだった)。
それぞれの「特性」があるよねって話
最近「強化系が特殊系の修行しても意味ない」みたいなエントリが出回っててなるほどそうだよねと思った。
このトピックにこだわるのは私が実はしゃべり、口語での論理的物語構成がとても不得意で、逆に文章なら口語よりはそこそこ自分の言いたいことを伝えられるから、「ブログ」というテキストオンリーの場にしがみついていたいからってのがある。
だから伊集院光氏のように口語の物語構成能力が神がかって上手い人が逆に文章だとそうでもないなってのがわかると「あ、人間のバランスって上手くできてるんだな、良かった」ってちょっと安心する。
それでもテキストメディアにも取り組む必要もあるんだろうなあとも思うし。
「ブログの内容をYouTubeで音声でアップしちゃうか」ってアイデアも、享受する側として考えるととてもありがたいかぎりなんだけど、文章構成もしゃべり(伝達技術)も面白い人がいたらきっと聴きながら嫉妬で苦しくなるだろう。あああ心がせまい。
ホッテントリビログ楽しみにしてますけどもしもイケボでしゃべりが面白かったもんなら「我修院達也の声になあれ☆」って少なからず思ってるよ☆そんなお話でした。
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