尾崎放哉のなかで好きな句をあげます
抹茶です。
さいきん見つけた尾崎放哉のなかで好きな句をあげます。
障子開けておく海も暮れきる
うつろの心に眼が二つあいている
人の親切に泣かされ今夜から一人で寝る
肉がやせてくる太い骨である
これでもう外に動かないでも死なれる
自由律俳句の代表格といえば種田山頭火ばかりがあげられます。
実際創作期間も創作数も種田山頭火のほうが多く、「自由律俳句を広く世に広め大成させた人物」というなら山頭火のほうがふさわしいのだろうなーと思います。
けれども尾崎放哉の死の床に伏せた状態で、死とむかいあいながら詠んだこれらの鬼気迫る句から影響を受けなければ山頭火は放浪の旅に出ることも作品中に解脱したような明るさを見出すこともできなかっただろうなあ。
とくに晩年の句は文字数が少なくなって、空いた余韻に放哉本人の息遣いが聴こえてくるようで本当にものわびしくて最高。
妻子を捨てて放浪俳諧の旅に出た山頭火はダメ人間よばわりされるのもみかけますが、放哉のダメさ偏屈さ孤独さに比べたら屁みたいなもんです。
山頭火なんだかんだ言って友人がたびたび訪れて酒盛りするほど愛されてるし。
そんな愛されキャラだからこそ自由律を広く認知させられたのでしょうけど。