短歌の目6月の傘の氾濫はこんなにも豊か
1.青
HeまたはSheにもならぬ我がためノート吹きゆく午後、青あらし
2.梅
鰯梅煮ことに酸つぱし夕餉にはかなしいことを探してみたり
3.傘
朱、白、碧、あふるる傘の氾濫が
4.曲がり角
曲がり角のコンクリの隅のかたつむり未だいることを見つけて帰る
5.しそ
雨だれが土の香とつ、と叩いては裏庭の葉、しそだと伝う
6.紫陽花
紫陽花が土の
7.つばめ
つばめ低く夕橙をきりとつてサイドスローは見えなくなるまで
8.袖
衣替えひつぱり出した半袖にもう戻れないきゆうくつさ知る
9. 筍
筍がとれれば筍、
10.たらちねの【枕詞】
たらちねの母が揚げたる天麩羅はすこやかなりし