BEASTERSとゴールデンカムイ一気読みした
のでその感想ログ。
どちらも映えあるマンガ大賞受賞作品なので面白いのは当然なのだろうけど、いやしかしこんなに一気読みできるとは思わなかった。
BEASTERS 全22巻
レゴシのキャラクタ造形が特に好き。
登場人物が全員動物なので描写(とくに性)がいくぶんマイルドに感じられたり、人間世界でもある差別、シシ組のライオンたちのように強者の悲劇、草食動物たちのような弱者の強さなどを浮き彫りにできたりと、興味深い技法だった。
あとがきでも板垣先生ご自身が書かれているようにコマ割りと影の付け方が映画を観ているようだった。
板垣先生どんな映画観てるのかなあ。ぜひ今後映画エッセイなど出してくださったら嬉しい。
個人的に好きなキャラクターはサグワンとシシ組のイブキです。
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しかしまったく飽きることなく、夢中で一気読みできた。
おそるべき野田サトル先生の才能!
後半巻でアシリパさんの言っていた言葉が、ちょうど並行して読んでいたテッド・チャン「息吹」のなかの一作品とリンクするものがあって、ああこういうタイミングってあるよねえ。
ざっくりいうと「人は物語でできている」「語り継いでいかないとわたしたちの文化は消滅してしまう」。
とくにアイヌは文字をもたない文化として知られていて、存続への危惧と継承への使命感は現代アイヌの人たちも同じように感じている。
「ゴールデンカムイ」では複数地域のアイヌ民族をはじめとして樺太、ロシアに存在した多数の少数民族についても描写している。こういう風に民族文化のログとして完成度が高い上にさらにエンタメとしてめちゃくそに面白いというのはものすごい偉業だ。
最後まで追わねばばならぬ。