欠損【短編小説の集いのべらっくす参加作】

「欠損」 男の指を買ったことがある。 あれはたしか、ぼくが十の頃。いつもは忙しい父が夏の気まぐれに、数年ぶりに母の実家のある山陰へと連れ立ってくれたときのことだった。