腎移植のドナーになってきた④入院、そしてメンタルチェック
前回まで
nerumae.hateblo.jp
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「生体間腎移植のドナーになってきた」のつづきです。
4回の適合検査の結果も良好、拒否反応も出ず、手術にGOサインが出た。
というわけで入院。
ここでは入院後、手術前までに行なった主な検査や食事についてです。
クレアチニン検査
わりとゆったりしたスケジュールで、
入院後2日目くらいからクレアチニン検査を行う。
これは、まる1日かけて尿を採取する検査で、尿の量や内容からクレアチニン値というものを調べる。これによって腎臓がどれだけ元気に動いているかわかるらしい。
通院中もそうだったけど、「とっても元気な腎臓ですね!」と褒められる。
ちなみに一足早く入院していた弟からは、「腎生検を受けて悶絶しているなう」と連絡があった。生きたまま腎臓まで届く針を刺すらしい。
いったい弟の前世になんの業があってこんなしんどい思いをさせるのか。神さま。
エニマクリン食
エニマクリン食とは
www.glico.com
腸の近くを手術するということで、2日ほど消化にいい「エニマクリン食」を提供される。


量は少ないけど味がしっかりしてておいしかったです。
途中にビスコが出てきて「なんで?」と思ったけどいま検索してわかった。グリコが提供してるのを病院で採用してたのかな。
精神科受診(メンタルチェック)
入院して気持ちが落ち着いてきたあたりに、ドナーは精神科への受診が設けられているそうだ。
「自分はドナー側だし、わりと落ち着いていますよー」といっても、
「いやいや」と先生。
「使命感による軽度の躁状態」
先生いわく、「臓器移植手術のドナー、とくに家族間の方ほど、使命感みたいなものが出てきちゃって、不安よりも逆に躁状態、いわゆるすこしハイになっていることが多いんですよね」とのこと。
そこでわたしも「ああ!!!!!!」と腑に落ちた。
自分でもうすうす感じていた。
この臓器移植に向けて、この日まで私が不安や緊張をあまり感じず、むしろ、「早くやろう早くやろう」と前のめり感があったのは、おそらくこの「軽い躁状態」みたいなものがあったからなのだ。
すでにだいぶ体調が落ちている弟をこれ以上見ていられないという思い、
当事者である弟の前で、家族として姉として気丈にしなければという虚勢、
その虚勢や意地によって自身の不安を見ないようにしようというごまかし、
その他もろもろが交じり合って変なアドレナリンを出していたのだと思われる。
すごいなー、と思ったのが、この「使命感による躁状態」が、わりと一般的なもので、誰にでもおこりうるものだということ、ご多分に漏れずわたしもきっちりそのルートを通って躁状態になっているんだな、ということ。
弟に腎臓をあげることになるなんて確率的に少ない経験をするなかで、私にとっては今まであじわったことのない不安や緊張、高揚や使命感、複雑な心理状態の変化を、これまで臓器移植を行なった人たちも同じように経験してきたのだ。
だから通院や検査、メンタルケアに至るまで、移植手術までの道のりがスムーズにストレスなく整備されているのだ、ということをこのときやっと理解した。
腎移植のドナーになってきた③適合検査を受ける
家族だからといって適合するとは限らない
家族間の腎移植とはいえど、型というのがあるらしく、必ずしも適合するとは限らない。
そればかりか、一度移植手術をした人はその腎臓の型に対しての「免疫」ができてしまい、拒絶反応が起きるリスクもあるらしい。
肉親である父と私の型が近いほどそのリスクもあり得るということなので、そこに注意して、4回ほどに分けて適合検査をしていくことになった。
当然のこととはいえ、リスクをゼロにするべくかなり慎重なんだなあ、と思った。
通院の流れ
県庁所在地の大学病院なので、往復も含めてまる1日がかりになる。
通院は月に1度しかないのでそんなに苦ではない。職場も快く理解してくれた。
最初の1、2回はMRI、CT、採血祭り。血を採られすぎて少しフラフラする。
さらに、ショッピングモールより大きい病院構内をあちらにこちらに移動しなければならず、さすがに疲れた。
検診や採血のあとは弟と一緒に診察室へ。検診結果や両者の現在の状態、手術日までの日程調整、再確認などをする。
モチベ維持のごほうびを考えておく
帰りにカフェで食べるたらこパスタでなんとかモチベを維持する。
病院が遠方になる方もそうでない方も、長丁場の通院は、何か自分にごほうびを用意しておくといいかもしれないです。
病院帰りなう
— 卯野 (@macchauno) May 26, 2023
本日もたらこ pic.twitter.com/bFqihAz8e0