−3℃
十数年ぶりに東京へ行きまして月曜に帰ってきましたので感じたことつらつらとログ。
/以前は遠いな遠いな〜と思っていた東京だったのに今回飛行機使ったら疲れもない。その分感慨や余韻も正直そんなにない(ちなみに新幹線だと4時間ちょい、飛行機で1時間)。
宿は麻布十番にとった。「えっお高いんでしょう〜!?」と言われてびっくり。土地的にはハイソかもしれないけどホテルはパックで一番安かったから選んだ。風呂トイレ共同の質素で古、えー、クラシックなお宿でした。寝るだけなら十分だな。
ホテルの周りは下町っぽくて豆腐ドーナツ売ってるお店が並んでいた。おばあちゃんまでもがかわいらしいミニチュアのようだった。
/本道は区画整理されて合理的な建築デザインなのにすぐ脇に入るとごちゃごちゃした小道だったのがおもしろかった。
行くちょっと前に「劇場版パトレイバー」を観ていたからか、たしかに古いものと新しいものが、併存というよりは、いささか分断されてそこにあるような印象をうけた。
観てなかったらどうだったろう。それでもやっぱりアンバランスさは感じたと思う。
/東京で待っていてくれた人たちはとても優しかった。「みんなー、最高〜☆」、ウエ〜イっつって集合写真をとった。撮られている自分をアルコールの入ったあたまで後方斜めうえから俯瞰していた。翌日のよく晴れた代々木公園は気持ちがよかった。
/「東京の子供たちは魚が切り身で泳いでいると思ってるときいた」といったら、その人達の数人は苦笑いして「あながち間違いじゃないかもね」とこたえた。
「食育」として「ピーマンの種を取る」のだそうだ。義務教育のどの過程でそれなのか聞けばよかった。会った学生は「将来、遺伝子操作で骨のない食用鶏をつくりたい」といった。ここまで書いて今回私のきりとった東京は偏りがある、と気づいた。命題が偏っているからだ。
/帰り、空港から出ると体にあたる風が冷たかった。
東京との気温差があって、3℃くらい低いのだろう。私の住むこの土地はいつも適温じゃない。生ぬるくない。まとわりつかない。冬も春も夏も秋もつねに自分と世界との境界線をつきつけられるような、やさしくない温度だ。醒めろ。どこにも属するな。そんな土地であったことを思いだした。