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nerumae

ほぼねるまえに更新してます 読んだ本/聴いた音楽/マラソンみたいに続けていきたいふつうの日記

【第1回】短編小説の集いの感想だよー

短編小説の集い「のべらっくす」

ハイセイイェー!抹茶です。

今さらですが、短編小説の集い「のべらっくす」感想です。


短編小説の集い「のべらっくす」

主催者・とりまとめののりまきさん本当におつかれさまでした。
毎度ながらのっかるばかりで本当にすみません。何かお手伝いできればよいんだけど。

お題のせいもあるのでしょうか、ハロウィン、ホラー/写真ともに叙述トリックやひっくり返しなど、前回に増して「なるほどそうきたかっ!」とひざを叩きたくなる作品が多いなと感じました。読んでて超楽しかったです。
ネタバレしないよう留意したつもりですが、作品の邪魔になっている表現を見つけたらご指摘ください。



【お題 A ハロウィン・ホラー】

「子供好き」

A.ハロウィン・ホラー 『子供好き』 - atsushimissingl’s diary


前回のお題「りんご」で、シンプルだけども丁寧な筆致で母子、父子の機微を表現されていた方ですね。
今回もムダのない表現で淡々と書かれていました。しかしその淡々さがラストの一言の真の意味と合わさって、そう来たかと……!
文体好きです。あこがれるなあ。




「おばあちゃんのカボチャ」

【第1回】短編小説の集い投稿作品 「おばあちゃんのカボチャ」 (A) - ごくまトリックス

前回のスペースオペラから一転、今作はアットホームな家族のハロウィンの一場面で、もしこんなことが起こったら…ってホラー作品でした。
世にも奇妙な物語」で映像化されそうですよね。
ラストも怖いですが、素性のわからないおばあさんが持ってきたカボチャを素直に受け取っちゃう親御さんもよくよく考えたら怖い。



「取り繕い」

お題はAのハロウィンで、タイトルは「取り繕い」です - Almost Always

前回のお題「りんご」で王冠に輝いた方ですね。今回は大学のサークル内恋愛のお話。
奇しくも最近「サークルクラッシャー」なる言語が私の中でトレンド入りしていますが、
今回はちょっと複雑なサークルクラッシャーのお話でしたね。
美樹をアレにして、代表と直哉がどのように裏で画策しあっていたのかを詳細に描いてくれると、より3人の関係をリアルに感じられたかもなと思いました。
嘘。ごめん。私が読みたいだけ。
あと前作品でも感じましたが、id:ronpakuさん、人称の世界観の構築が凄い!
説明過多にならずにこれから始まる世界を、完全にその人称で描写していらっしゃる。今回はきちんと恋する大学生女子の視点。




「トリック・オア・トリート!」

【第1回】短編小説の集い『トリック・オア・トリート!』A ハロウィン・ホラー - ファンタジー頭へようこそ!

叙述トリックな作品ですね。ちびっこたちの冒険譚みたいな感じで私もわくわくしながら読みました。
絵本ナイズして子供たちが読んでもハラハラドキドキしながら楽しめそう!
ジャムとリエットというネーミングセンスもすごく素敵だと思います。かわいい。
こういう楽しいのを私も書けるようになりたいです……




「ハロウィンだったから」

Aのハロウィンで、タイトルは「ハロウィンだったから」 - OK 余裕

恋愛未満の男女の恋愛話。
正直なことを申しますと、小説というくくりで縛るのは難しい作風、リズムだとは思います。ますが、
この一人称男性のどこまでもチャっラ~く軽い感じとか「俺の富士山が」あたりの表現センスとか、読んでてとても楽しかったですw
id:ao-ruiさんの別の作品も読んでみたいなあ。
蛇足ですが「OK 余裕」ってブログタイトルもすごい好きです。



「ダグラ」

ダグラ 【第1回】短編小説の集い (A: ホラー) - 思惟ノート

うすうす気づいてたけどカルキ水さん、さてはこの人テキトーな人じゃないな…!
最初は「なんだ、何の話が始まるんだ」と怪訝に思ってたんですけど、そのうちにこの「ダグラ」という訳のわからないもののある世界に引き込まれる。
ひっぱってひっぱってこのラストなんだけど、たしかな筆致と伝承のまことしやかさとで最後まで読んじゃう。
あとよく考えたらこの作品、テキストでこそもってる怖さを最大限に発揮できる形式なんだよね。
独創力が群を抜いてると思います。



「動かない食卓」

【第1回】短編小説の集い「動かない食卓」【A ハロウィン・ホラー】 - 冬色の脈

率直に引き込まれ度No.1でした。ホラーなのに、読んでてとても心地いい。急かず冗漫にならず、文章が洗練されていて美しい。
私にとって id:atsushimissinglさんの文体が「あこがれるけど自分ではできないであろう文体」で、id:chemicalxさんのこの文体は「目指したい文体」です。
web小説の創作にも慣れていらっしゃる方なのかなあ。
ラストの食事はもしかしてだけどもしかしてだけどもしかしてなの?
おばあさんを声がでない設定にすることで、他の登場人物の台詞や食卓の静謐さ、緊張感みたいなのが際立って伝わったと思います。



「ハロウィンのささやかな事件」

ハロウィンのささやかな事件|短編小説の集い(A:ハロウィン) - aoi_tomoyuki's blog

5000文字にハロウィンとミステリと百合という、みっちりと濃い作品でしたね。
百合探偵すみれ子さまと花恵をシリーズ化して読ませていただけないだろうかハスハスと思った私に誰か豆腐の角をください。
本編の本意からはそれますが、少年探偵とかアニメでもたくさんあるけど、実際素人が第三者の犯罪未満の罪を糾弾して、その後どれくらいの人間が幸せになれるのさ?という視点は思いが及ばなかったのでたしかにと思いました。


「鬼火」

【第1回】短編小説の集い 「鬼火」 (A ハロウィン) - おけばの記録

これを書いてるあいだにのりまきさんの感想を読みまして、そこで「ウィル・オー・ウィスプ」なる人物がハロウィンに関係していることを初めて知りました。
博学だなあー。
読んでて「いくら作り慣れたといっても、カップケーキってそんなに早くできるもの?」と思ったら、叙述トリックだったんですね!まんまとやられましたよ!
そんでもって「死ぬための研究」というのは。生きるも死ぬもなかなか思い通りにいかないもんですね。






【お題 B 写真】

「おばあさんの思い出」

【第1回】短編小説の集い参加します! 題名:『おばあさんの思い出』 お題:写真 - 読書録 本読みの貪欲

絵本のよみきかせのようなやさしい敬体調が、だんだんと怖さになってたたみかけるこの作品。
家族だけど、家族だからこそこんなにも残酷になれることもある。
「母親」は無償の愛の象徴であるとともに、支配・抑圧の化身にもなりうつんだよなあと薄ら寒くなりました。覚えがあるわ。
あとからid:dokusyotyuさんがテーマは「毒親の連鎖」と解説していらっしゃいましたが、その視点で再度読みなおすとまた違うものがみえてきたりします。



「かつて−そこに−あった」

かつて-そこに-あった (テーマ:B 写真)【第1回】短編小説の集い - 日々我れ

軽妙かつ乾いた現代風の会話文が中心の短編。
だんだんと何を描いているかが見えてくるスケッチのように、上司と主人公との人物像、関係性がラストに向けてくっきりと描写されていく。
そういう文章技術が自分には皆無なので、素直にすごいなー、羨ましいなーと思って読みました。
写真と冒頭に絡めたラスト、そして上司のアレはお見事!の一言。タコライスは伏線か……!



「ツナガル」

『ツナガル』 ~【第1回】短編小説の集い(B:写真) - バンビのあくび

えこさんの写真をキーにした暖かい家族もの。

「なんだか、泣いてるみたいだね、お母さん」
「そんなことないさ。ほら、こうすると笑ってるだろう?」

のやりとりが個人的にすごくじいんと来ました。私もいつかこんな風に家族のなかに生きていけるかな。いけるといいんだけどな。
私も叙述トリックなるものに初トライした回だったので、えこさんのトリック技術を読んで「なるほどこうやるのか……!」とぐぬぬしました。
この発想はなかった。

あと先日えこさんの好きなブログの中に拙者のブログを選んでもらったでござるイエーイ!!超光栄!多謝です!


私の好きなブログをご紹介します☆ - バンビのあくび




「ハロウィンの思い出」

【第1回】短編小説の集いに投稿してみたよ - 散るろぐ

子供ならではの加減の下手さと、もろさ繊細さの両方を表した作品だなと思いました。
メンタルの脆弱性って昔も今もそんなに大差ないと思うんだけど、使うツールや伝播の手段が大人と同じものかつレベルってのが怖いよね。
残された(と思われる)2人はどんな気持ちで翌年からのハロウィンを迎えるんだろう。
案外数年で風化しそうだな、と思えてきてそこらへんがまた怖い。





「拒絶する世界」

『拒絶する世界』 ~【第1回】短編小説の集い(B:写真) - いわしと寸?オます

世界があなたを拒絶しているんじゃない。あなたが世界を拒絶しているのよ。


このフレーズが心に刺さる人は少なからすいるんじゃないかなあ。
私は刺さった。
尾道についてからの歩みと居酒屋の描写、そして出会う女性とのやりとりがたいへんリアルで精緻で、「もしかしてご自身の体験をもとにされているのかしら」と思いました。私も世界は開かれてるって誰かにいわれたい。





「写真」

第1回短編小説の集いに投稿☆ テーマB 「写真」 - palewhite’s diary

描写が精緻でドラマを観ているように登場人物の顔が浮かんできました。おそらく人物設定をしっかり練られて書かれたんだろうなあ。
人間不惑を過ぎると過去や不義の恋愛や病気なんか、抱えてるものの1つや2つや3つや4つあるものなんでしょう。でも、ああそういうのもひっくるめて笑っていられるようになるんだな、って自分の行き先にもなんだかちょっとだけ明るい光が差し込んだような読後感でした。
だから私もこういう明るいの書きた略



「原初より連なり満ち満ちる執着」

原初より連なり満ち満ちる執着 【第1回】短編小説の集い (B: 写真) - 思惟ノート

id:kalkwaterさんワールドともいうべき、テンポのよい会話文が炸裂する若い男女の作品。
「生きるって?死ぬって?」2人が語るテーマはわりと哲学的だけれど、重く聴こえないどころかいつまでも盗み聞きしていたくなる。
これはきっとコケティッシュでよく動くリコの魅力のおかげですね。

いつか色褪せるだろうこの写真は、ふたりを時の流れから切り離すためのものじゃない。ふたりで過ごした時の流れがわかるように打ち込むひとつのアンカーだ。

どこがいいかなァ。まあどこだってふたりなら楽しかろうよ。


この台詞とシーンが好き。



「光に落ちる」

光に落ちる(第1回短編小説の集い参加作【B 写真】) - Fuzzy Logic

「登場人物全員クズにしようと思った」と作者の方がおっしゃてただけあって、ここに登場する人たちのどれもがカラカラに乾いてていっそ痛快だ、というのが第一印象です。

すごいなと思ったのは、自分で自分の葬式や遺影をみる場面。
ドラマではわりとありそうな話ですが、一人称の文章で見るとこんな感じかあ、とリアルですごく引き込まれました。
乾いた全員の関係の中か、いくばくか潤いが残っているかのように見えるのは主人公からの涼子への執着なんだけど、それもラスト、信号待ちをする涼子のよどみのない動作であわわわわわ。
全体が乾いているからこそ、このただ一点の、救いともいえる執着、そして涼子の指先は次の瞬間どうするのかに充分にスポットライトがあたっていたなと思います。
最後、主人公が落ちていったのは闇の中、光の中、どっちだったんだろう? すごく面白かったです。








Aでは、世界観、表現力では【第1回】短編小説の集い「動かない食卓」【A ハロウィン・ホラー】 - 冬色の脈」。
Bでは、かつて-そこに-あった (テーマ:B 写真)【第1回】短編小説の集い - 日々我れ光に落ちる(第1回短編小説の集い参加作【B 写真】) - Fuzzy Logic

読み手が入りこむ余白も残しておいてくれているのが素敵です。
好みも多分に入ってて、どれをベストにとるかは多分その日の気分で変わりますねきっと。


また皆さまの次の創作小説が読めるのを本当に、とても、楽しみにしています。
私も次は楽しいのを書けるようにがんばるぞー。


私のも置いときます。病院で書きました。
自己解体や振り返りログはのちほど。

【創作】天使の領分【ハロウィン・ホラー】 - nerumae

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