SHERLOCK「忌まわしき花嫁」気づいたら観てまして
115分飽きさせない度★★★★★
ニッチ度★★★★★★
シャーロックファン度★★★☆☆
おもしろかったので感想をばログ。
若干のネタバレあります。
あらすじ・よかったとこ/あえていうなら、最後にシリーズ全般通して私の好きなシーンを。
あらすじ
舞台は1895年、ヴィクトリア時代のロンドン。レストレード警部が何かに怯えるようにベーカー街B221を訪れる。
ウエディングドレスを身にまとい街中に発砲、直後自ら重心自殺をはかったリコレッティ夫人。その直後、死んだはずの彼女が夫のもとに現れたというのだ。
探偵シャーロックとワトソン医師は事件の謎をおっていくうち、別件で探偵の依頼を受ける。そこから遠く離れた古い屋敷で、ふたたびウエディング姿のリコレッティ夫人が目撃されたのだ。
はたして死から蘇った花嫁の目的とは、そしてシャーロックは自分の中の「亡霊」に打ち勝つことができるのかーー。
よかったとこ
115分がジェットコースターみたいにあっという間
ドラマシリーズ「SHERLOCK」もそうなんだけど、とにかく飽きさせない。ダレ場がほとんどない。
めくるめくジェットコースターみたいな展開の速さで115分があっという間でした(といっても前後に映像特典入ってるからもあるんだろうけど)。
今作映画版はもう少しゆるやかになるかと思いきや、「高機能社会不適合者(High-functioning Sociopath)」シャーロックの圧倒的かつエスプリききまくった(ロンドンだけど)セリフ量、質、子犬のように可愛いワトソンはじめエッジの効いた登場人物、そしてギミック溢れる場面展開。現代版同様のスピード感です。
今回は特に舞台がヴィクトリア時代。なので視覚演出も時代に合わせてチェンジ!
おなじみシャーロックが思考するときの表現が、現代版ではPCを検索〜スワイプするマネなのが、今作では「数多のメモ・新聞の切り抜きが浮遊し、それを迷走中のシャーロックが手にとる」になってたり、お屋敷の昼から夜への場面展開がカラクリ仕掛けっぽくになってたりと、「そこをそう出力変換したか!」と現代版シリーズをじっくり観ていたファンにはニクい仕上がりになってますぜ旦那。
裏テーマが「ウーマン・インディペンデンス」
wikiった知識で申し訳ないんだけど、なんで裏テーマでこれをかけたのかなと思ったら、英国では1918年に(制限付きの)女性参政権が認められたんですね。今作ではメアリー達が女性参政権の確立に活動中ということになっています。
原作「忌まわしき花嫁」と現代版「SHERLOCK」シリーズの女性たちの復讐をよくここでかけあわせましたなあ。
ちなみに「モルグのモリー」は、今作ヴィクトリアver.ではあっと驚く装いで登場、裏テーマの主役といってもいい役どころなのですが、モリー役を演じるルイーズ・ブリーリー自身はジャーナリストかつ結構なフェミニストでもあったはずなんですよね。
現実と創作を交錯させるモファットとゲティスの遊び心も嫌いじゃないわ!
ちなみにSHELOCKシリーズで唯一男性であるシャーロックを圧倒的に”beat”(打ち負かした)女、アイリーン・アドラー嬢は裏テーマの「例外」となるためか、ロケットペンダント内の写真のみでのご登場でした。
後半のインタビュー、J・モリアーティ役が超クール
今作は良くも悪くもBBCのドラマ「SHERLOCK」のファンムービーなので前後に各10分ほどずつ特典映像が付きました。
特に後半の脚本家M・ゲティスが役者たちへインタビューする場面、モリアーティ役のアンドリュー・スコットが最高!
ゲティスと話しているときはちょっとシャイでモゴモゴしゃべる普通の人のよさそうなあんちゃんなのに、モリアーティのセリフを少し口にした途端「邪悪」そのものに表情が一変、セクシー! 背筋がギュンとしたわ。
あえていうなら
「SHERLOCKファン」だけのための超ニッチな映画作品
良くも悪くもこの「SHERLOCK 忌まわしき花嫁」はBBCドラマシリーズSHERLOCKのファンムービーでありシーズン4へのヒント、布石。
なのでこれまでのシーズン1〜3を観てない人、特にシリーズ3の後半をガッチリ観てないと「一体なんじゃらホイ( ゚д゚)」と置いてきぼりになること必須な仕上がりになっております。
なので「なんとなくSHERLOCK気になってたし、面白そうだから観てみよ〜」「コナン・ドイル版のシャーロックが好きだから観てみよう」って来た人は絶対( ゚д゚)ポカーン みたいな顔になってるだろなwと思いながらエンドロール観てました。
でもよく考えたらモチーフとなった「忌まわしき花嫁」自体は原作にはタイトルしか出ていないほどの扱いだし、SHERLOCKをシリーズで全部観たガチファンじゃないとわざわざ映画館まで来ないよな。
自分もDVDレンタルでじゅうぶん、と思って気づいたら映画館でした。
病気ってそんなもんだよね。
ということでモファット、ゲティスさんマーケットの読みは大正解です。
ちなみに私が観に行った時は公開3日目の午前中でしたが、私含めて観客は20人ちょっとでした。これ全国公開したのすごいよな。まあ正味1週間くらいの公開期間だったしね。
わりと推理そっちのけ
コナン・ドイルの「シャーロック」を期待して観に行くと肩透かしをくらいました。けっこう力技で話を終わらしてるぞ。
シリーズ全作通して好きなシーン
とりあえずパっと思いついたのを。
3、プールで「WESTWOOD!」
2、「I'm not a psychopath, I'm a high-functioning sociopath」ニカッ
1、振り返るとアサシン・メアリー(そしてドン)
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