山うたさん「兎が二匹」読みまして
えぐってくる、のひとこと。
pixivで話題になった短編創作マンガがコミック化です。
おもしろかったので以下感想をログ。
あらすじ
”サクとすずが一緒にいるための条件、それは「毎日、サクがすずをころすこと」”(帯より)
不老不死に悩み自死が日課、齢400年のすずと、すずを慕い一緒にいることを望みながらもすずの日課を手助けする朔朗。
お互いに必要としながらも生き続けることにもがき苦しみ、死が2人を分かつまでのお話。
「これ無料で読めちゃっていいのかな」
この作品に出遭ったのはpixivに登録してまだ日が浅いころ。初めて読んだときの衝撃がすごくて、「これ無料で読めるのすげーな!」と震えました。そのあともpixiv上ではこれを超える読後感の創作にはまだ出遭ってないです。
その後まもなく書籍化のお知らせがあったので、ああやっぱり届くところには届くんだなあと納得したかぎりです。
R-18Gだけどテーマは「生きる」
pixivのキャプションで作者の山うた先生も書かれていますが、のっけから首絞めやら切断などキッチュな場面から始まっているため便宜上R-18Gのタグ付けしていますが、作品のテーマは「生きる」です。
短編版よりもいろんな角度でえぐってくる
短編版ではすずとサクほぼ2人だけの登場だったのに対し、連載版ではすずの秘密を知る古美術商のおばあちゃんや近所のママ友(?)、サクの父親、同級生や間戸など登場人物も舞台背景も広がったぶん、えぐってくるサブストーリーも多くなってます。
サクの父親のセリフとか、すずと同級生のお母さんたちの普通のママ友っぽい会話のシーンとか。
「死ねない」というフィクションから入っているけど、日常、人の間に生きる機微の描写がとても丁寧。
朔朗とすずがかわいいよ。
pixiv版と見比べるのもよし
連載版はpixiv短編にごく若干の改稿がほどこされていまして、pixiv版の400年生きたひねくれさ老獪さがやや強く出てるすずもおすすめです。
あとpixivにはすずとサクの幸せそうなショットもあって切なくなります。
・pixiv版はこちら↓↓
www.pixiv.net
・1巻お試し読みはこちら
yamauta.o0o0.jp
2巻はどうなるんだろう・・・。