惑星おでん−短歌の目12月
さ、参加しまーす。
題詠5首「惑星おでん」
1. おでん
火星でもおでんとビールがあればいいよくわからない足が煮えてる
2. 自由
平日の光のどけき銭湯でゆびをふやかすくらいの自由
3. 忘
忘れない光年先の凍光をいまはもうない星のあなたを
4. 指切り
「死ぬ前にあけて」と指切りしたままの小指できみはコールド・スリープ
5. 神
神よ神よ、あなたが忘れたこの星でふたりぼっちの神さまになる
テーマ詠「冬休み」
夜を越せば大人になれるはずなのに気づけばだいたいサブちゃんである
初詣神社へつづく提灯路 夜のおとなはなんだかこわい
冬晴れの軒先下のつららにはいっぽんいっぽん朝日が宿る
小指ほどのつらら含んで走り出す太陽の味はつめたくあまい
空を切り細氷を切りそりはゆくまつげの奥の正しい速度
てのひらの六花がまるく融けていく大人になっても見えていますか