You are what you read
とつぜんだが職場で同じチームのキャミドレス先輩がすごい。
何がすごいかというと、まがりなりにも教育サービス系の仕事なのに文字通り膝上丈のキャミドレスを着ている。年上の上司とタメ口で話す。出たくない会議や講義には出ない。昨年にはトップの長とバチバチに対立して、彼女の控え室に監査が入ったのだそうだ。監査って…?
それでも彼女が今日まで会社に在籍しているのは、ひとえに一定以上の成績を上げているから。仕事ぶりも的確かつ鬼速だ。
僕は彼女のカーディガンの背中に「天上天下唯我独尊」という刺繍が透けて見えるけれども。
で、彼女の読書を見て、さいきんTwitterでも見かけたツイートと合わせて考えるところがあったので、ログしておこうと思う。
彼女は自他ともに認める読書家でもある。
あるとき彼女の(というか本来は僕たち働きバチ階級の)控室で行きあったとき、彼女の読んでいた本が与沢翼の「ブチ抜く力」だった。次の日に見たのが箕輪厚介の「死ぬこと以外かすり傷」だった。あまりにも彼女らしすぎて笑ってしまった。
僕が「なんかすごいタイトル続いてますね」というと、彼女は
「ねー!すごく共感しながら読んでるー!」と嬉しそうだった。
ちなみに彼女とその家族の座右の銘も「死ぬこと以外かすり傷」だそうだ。
アフガンでも切り抜けてきたのか。
そのときにこちらのツイートとあわせて、英語のフレーズをひとつ思い出したのだ。
父は非常な読書家だったが、晩年の父の読書には、知っていることの確認、考えたのと違う見解への嫌悪、という傾向があった。若くてもそうなることはある。しかし若くもない30代後半から40代はこうした衰えを自覚しにくい危険があるような気がする。
— オッカム (@oxomckoe) 2020年01月20日
「本は人なり」って本当だなあと。
キャミドレス先輩の名誉のためにいうと、彼女の読書は自己をエンハンスするためだけではない。彼女は確固たる「自己」があることを自覚している。その上で、他者からのお勧め本があれば読む。学生からでも、内容に思うところがあっても、最後まで読み終える姿勢をつらぬいている。
この未知と知性に対して異常なまでにハングリーな点において、僕は彼女をとても尊敬している。
いっぽうでこのツイートを見て、「自己の無意識を自覚しないと、未知に門戸を開かないと、人は読書によって自分を広げているつもりで逆に自分をスタックさせてしまうんだなあ」とハっとしたのである。とくに自分の近年の本の読み方を振り返りどうだったかと。
さいきん読書メーターをはじめて、いろんな読書家さんの本棚をのぞくのが楽しい。感想が面白く、鋭い人のお勧め本は自分も読んでみている。
幸いはてなをやっていると読書家さんが多いので、自分の無意識に定期的に気付かされる機会があるけれども、老いてますます自分と真逆の本を読んでおこう、拡張プレイしとこう、と思った次第だった。さしあたり「ブチ抜く力」から。
出口さんは読みやすい活字中毒紳士