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「ハーモニー」伊藤計劃-超面白かったけど読み返したくない

ハーモニーいまさら読了。
めちゃめちゃ面白かったけど言いたいことが多すぎて読書メーターに書ききれないのでこっちに書きます。
ディストピアものでこのコロナ騒ぎと多少リンクするところがあること、結構なゴア表現があることから心身ともに100%元気!って人以外は避けたほういいと思う。
なんで読んじゃったんだか。



ハーモニー (ハヤカワ文庫JA)

ハーモニー (ハヤカワ文庫JA)

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ハーモニー (ハヤカワ文庫JA)

ハーモニー (ハヤカワ文庫JA)


あらすじ

舞台設定は「虐殺器官」と地続きの世界。
「大災禍(ザ・メイルストロム)」と呼ばれる核戦争を経験した世界は、「健康」であることを至上とする価値観のもと、「生府」が人々の健康と安らかな生活を管理する社会へと変わっていた。

主人公「霧慧トァン」は生府に所属する身ながらも健康至上主義に懐疑的だ。あるとき、一斉同時刻に大量の人間が自死をはかる事件が発生。トァンはその裏にかつての友人「御冷ミァハ」の影をみる。ミァハは、「このからだはわたしのもの」といってともに自死を試みた仲間だった。
なぜ死んだはずのミァハが今?彼女は大量自死をどのように、なんの目的で引き起こしたのか?この社会を変革する「ハーモニー」とはーー?





●ここがすごいよ!ハーモニー

・現代ー「虐殺器官」から繋がれる近未来の社会を緻密に描いている
SFギミックを緻密に舞台のなかに滑り込ませているけれど、ギミックも社会も「ああそうなるんだろうな…」って説得力がある。じっさい作中に出てくる「拡現(オーグ)」と呼ばれるARコンタクトはgoogleだかどっかが開発してなかったっけ。ミァハとかトァンとか名前と登場人物で「百合SF、ライトノベルかな?」なんて軽く足踏み入れると脳みそガッツンガッツン殴られる。


・作者の読書量と質と残存率がすごい
作中に出てくる引用文献の多さと難易度がめちゃハイレベル。それをしっかり自分の言葉に咀嚼消化して作中世界の中にスムーズに展開している。
執筆中は齢若干34、重い病状下だったとのことだが、他の人も言ってたけど何食って読んでたらその状況でこれだけのものが書けるんだ。
1984」「すばらしき新世界」はとりあえず読んでおかなきゃいけないってことはわかった。



●ここがつらいよ!ハーモニー

・御冷ミァハの人物設定がつらすぎる
紛争戦争のダークサイドといわれればまあ真実で、そこに一番の不快感を覚えるあたりで私もすでに「心身の健康を損なう情報」に触れないように生府によって庇護されているのかもしれない。
「見たいものしか見ない聞かない感じない社会はすでに始まっていたじゃないか?」という作者の皮肉のようでもある。


・「ハーモニー」発動前と発動後の社会がどっちもつらすぎる
アニメ「PSYCHO-PASS」の世界もそうだったけど、ユートピアを描いているようでいてめちゃくそディストピアの舞台。
たぶん平均以上に「わたし」に固執する私としては、発動後ラストの世界が恐ろしすぎ胸糞悪すぎてしばらく気持ちが悪かった。




でもミァハの意図がまだしっかり分からないのだよねえ。なんで生きてたの?読み返さないとなあ。ああでもまだ読み返したくねえ。
言いたいことはいろいろ渦巻いているけど語彙がおいつかなくてうまく表現できない衝撃的な小説でした。つまりいい小説ってことなんだと思う。



みんなの感想
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The Indifference Engine

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こちらは短編集。読みやすかった。


怖いもの読みたさでこの機会に伊藤計劃イッキ読みしようかと思う

虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA)

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屍者の帝国 (河出文庫)

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